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【仏式の葬儀】宗教(宗派)による儀式・経典・焼香などの違いを解説

界には、さまざまな種類の宗教があります。そんな中、日本で最も信者が多いのは神道系、次に多いのは仏教系(※1)です。ですが葬儀だけを見てみると、日本の葬儀は実に90%近い割合で仏式が選ばれています(※2)。とはいえ同じ仏式の葬儀でも、葬儀の進め方は宗教(宗派)によってさまざまです。

そこで今日は、数ある宗教の中から6つの宗派について葬儀の違いをご紹介します。葬儀中の儀式や経典、焼香の方法などもあわせてご紹介しますので、ぜひ葬儀を選ぶ際の参考にしてみてください。

 

6つの宗教(宗派)による葬儀の違い

では早速6つの宗派について、葬儀にまつわる考え方や流儀の違いなどをご紹介します。

1.曹洞宗(そうとうしゅう)

曹洞宗では、葬儀を行うことで故人(仏さま)がお釈迦さまの弟子になると考えられています。そのため「授戒(じゅかい)」や「引導(いんどう)」など、他の葬儀にない儀式を行うことが特徴です。

その他の流儀については、こちらにまとめます。

  • お唱え 「南無釈迦牟尼仏(なむしゃかむにぶつ)」
  • 経典  「正法眼蔵 (しょうぼうげんぞう)」
    「伝光録 (でんこうろく)」
    「修証義(しゅしょうぎ)」
    「般若心経 (はんにゃしんぎょう)」
  • 焼香  2回(1回目のみ額に押し頂く)

2.真言宗(しんごんしゅう)

真言宗では修行を行うことで誰でも仏さまに近付けると考えられており、葬儀を行えば故人は仏さまの元へ行けるとされています。これは「即身成仏」という教えです。

また真言宗では、身を清めてから成仏する習わしがあります。そのため葬儀中には「灌頂(かんじょう)」や「土砂加持(どしゃかじ)」の儀式を行うことで、故人の身を清めるのです。

真言宗のその他の流儀については、こちらを参考にしてみてください。

  • お唱え 「南無大師遍照金剛(なむだいしへんじょうこんごう)」他
  • 経典  「大日経(だいにちきょう)」
    「金剛頂経(こんごうちょうきょう)」他
  • 焼香  3回

※真言宗には多くの宗派があり、葬儀中の儀式や経典などは宗派によって異なります

3.浄土真宗本願寺派(じょうどしんしゅうほんがんじは)

浄土真宗本願寺派では、阿弥陀如来を信じてすがればいつでも仏になれると考えられています。これは「他力本願」という教えです。

そして浄土真宗の葬儀では仏さまの成仏を祈るためではなく、仏となれたことに対する感謝を阿弥陀如来さまへ示すためにお唱えします。そのため浄土真宗の葬儀では、故人を死者として扱いません。これは浄土真宗の最も大きな特徴といえるでしょう。

浄土真宗のその他の流儀については、こちらにまとめます。

  • お唱え 「南無阿弥陀仏(なむあみだぶつ)」
  • 経典  「観無量寿経(かんむりょうじゅきょう)」
    「阿弥陀経(あみだきょう)」
    「無量寿経(むりょうじゅきょう)」他
  • 焼香  1回(額には押し頂かない)

4.天台宗(てんだいしゅう)

天台宗は、全ての人が仏になれるという考えを持つ宗派です。

葬儀では、まず故人の心身を清め、準備を進めます。身を清めるために通夜で「剃度式(ていどしき)」を行うことも、天台宗の特徴です。準備が整えば、故人は仏の国へ向かいます。

その他の流儀については、こちらを参考にしてみてください。

  • お唱え 「南無阿弥陀仏(なむあみだぶつ)」
  • 経典  「法華経(ほけきょう)」
    「大日経(だいにちきょう)」
    「梵網経(ぼんもうきょう)」他
  • 焼香  一般的には3回もしくは1回とされているが、厳密には決まっていない

5.浄土宗(じょうどしゅう)

浄土宗では、南無阿弥陀仏を信じて唱える者は極楽浄土で往生(おうじょう)できると考えられています。往生とは、生まれ変わりを指す言葉です。

葬儀では参列者が故人に代わり、お坊さんと一緒にお経を唱えます。これは「念仏一会(ねんぶついちえ)」と呼ばれる儀式です。他には「下炬引導(あこいんどう)」も、浄土宗ならではの儀式といえるでしょう。

その他の流儀については、こちらにまとめます。

  • お唱え 「南無阿弥陀仏」
  • 経典  「阿弥陀経」
    「無量寿経」
    「観無量寿経」
  • 焼香  一般的には3回もしくは1回とされているが、厳密には決まっていない

6.臨済宗(りんざいしゅう)

臨済宗は、体と心を使って悟りを開く宗派です。その証拠に、臨済宗の修行では坐禅に加え「禅問答(ぜんもんどう)」を取り入れています(※)。

※禅問答……修行者が疑問を投げかけ、坐禅の師が答えること

そんな臨済宗の葬儀では、まず故人が仏さまの弟子になります。これは「受戒(じゅかい)」と呼ばれる儀式です。次にお坊さんがお経を唱えて故人の仏性を目覚めさせた後、故人をあの世へ送り出します。この2つは「念誦(ねんじゅ)」と「引導」と呼ばれる儀式です。

その他の流儀については、こちらを参考にしてみてください。

  • お唱え 「南無釈迦牟尼仏」
  • 経典  「般若心経」
    「大悲呪(だいひしゅう)」
    「宗門安心章(しゅうもんあんじんしょう)」他
  • 焼香  1回(額には押し頂かない)

 

まとめ

今日は、宗教(宗派)による葬儀の違いについて解説しました。

同じ仏式でも、宗教によって儀式や経典、焼香の仕方に違いがあります。また同じ宗教でも地域や宗派によって流儀が異なるため、詳細については菩提寺(※)に確認してみるのが一番です。

※菩提寺……先祖代々のお墓を置いてあるお寺のこと

ただ最近では、こういった宗教の違いをあえて無視した「自由葬(無宗教葬)」という葬儀も人気を集めています。もし葬儀の内容を自由に決めたいと思うなら、自由葬も視野に入れてみるといいかもしれませんね。

葬儀の種類については、こちらを参考にしてみてください。
【葬儀の種類】代表的な3つの葬儀&人気と注目度が高い2つの葬儀

 

【参考データ】