12月になると年賀状の準備が始まります。何かと忙しい12月なので早めに準備しようと思いつつ、結局大みそかにギリギリで出すという人もいるのではないでしょうか?
さて、年賀状にも終活があることをご存知でしょうか。今日は終活年賀状の基本情報と相手を不快にさせない書き方をお伝えします。今年の年賀状を準備する前に一度検討されてみてはいかがでしょうか。
目次
1.終活年賀状とは
終活年賀状とは、年賀状のやりとりを今年で最後にする旨を伝える年賀状のことです。「年賀状じまい」とも呼ばれています。
終活年賀状を出す目的は、年末年始の忙しい時期の手間や出費を最小限にするだけではありません。義理で続けていた人間関係を整理し、本当に大切にしたい人との関係を見直すきっかけにもなります。
普段は会うことも連絡することもない、年賀状の住所リストに登録されているという理由だけでなんとなく毎年年賀状を送っている相手はいませんか?その相手にあなたの大切な時間・手間・お金をかけなくても良くなるのが終活年賀状の良いところです。
終活が本格化する60代~80代の方以外にも、20代~50代の方にも終活年賀状は幅広く行われています。終活年賀状を送ったら縁切りをした冷たい人と思われそうという心配がありますが、そんなことはありません。今はスマートフォンを通して簡単に連絡を取れる時代になったため、メールやSNSを通した年始の挨拶に切り替える方が増えています。電話と手紙が主な連絡手段だった年代からすれば終活年賀状は縁切りに近い行為かもしれませんが、スマートフォンが常識化している年代からすると必ずしも重大な意味は持っていないようです。
2.相手を不快にしない終活年賀状の書き方
それでは、実際にどのような文面の年賀状を送ればよいのでしょうか。どのような理由で年賀状を辞退するにしても、相手に不快な思いをさせないよう注意することが大切です。
2-1.押さえておきたい3つのポイント
ポイント①いきなり年賀状辞退の話をしない
終活年賀状とは言っても文頭から辞退の話をするのは良くありません。まずは通常の年賀状と同様に新年の挨拶をしてから辞退の話に移りましょう。
ポイント②年賀状を辞退する理由を伝える
終活年賀状を受け取った相手は「一体なぜ?」という疑問や、「もしかして私ともう付き合いたくないのかしら」と不安を抱く可能性があります。そのためにも年賀状を辞退する理由を相手に伝えるのは大切なことです。しかし、人間関係を整理したい・面倒くさいなどネガティブな理由の場合には、その旨を正直に伝えることは避けましょう。
<辞退する理由と例文>
・加齢が理由の場合
例文)寄る年波には勝てず、体力の衰えを感じるようになりました。
今年で○歳を迎え、最近では年賀状を作成するのが難しくなってきました。
・定年退職やきりの良い年齢を迎えたことが理由の場合
例文)昨年定年を迎え、これからは第二の人生を楽しんで行こうと思っています。
ついに還暦を迎え、終活を意識する年齢になりました。
・SNSなど他の連絡手段に移行したいことが理由の場合
例文)今年からSNSを使えるようになり、交流の場をSNSに移すことにしました。来年からは○○(SNSの名前)にて新年のご挨拶をしたいと思います。
ポイント③全員に送っている旨を伝え、不快感を和らげる
終活年賀状を受け取った相手は“送り主が人間関係を整理した結果、私との縁を切りたがっている”という不快感を抱く可能性があります。たとえ終活年賀状を送ったのが一部の人だけであっても相手に不要な不快感を抱かせないよう、終活年賀状を送ったのは“特定の人”ではなく、“全員に”分け隔てなく送っている旨を伝えましょう。
2-2.例文
実際に文章を書く時は、以下の3ステップで組み立ててみましょう。
ステップ1:新年の挨拶
↓
ステップ2:年賀状を辞退する旨と理由・お詫びの言葉
↓
ステップ3:今後の連絡方法・今後も関係を続けていきたい旨
<例文>
明けましておめでとうございます。
昨年は大変お世話になりました。本年もよろしくお願いいたします。
お変わりなくお過ごしでしょうか。
私もついに今年で70歳を迎え、寄る年波には勝てず最近では年賀状を作成するのが難しくなってきました。
誠に勝手ながら年賀状による皆さまへの新年のご挨拶は本年をもって最後にしたいと思います。
ご無礼をお許しください。
今後は電話やお手紙などで連絡をさせていただければ幸いです。
今後とも変わらぬお付き合いをよろしくお願いいたします。
2-3.終活年賀状の出し方
終活年賀状を出すタイミングは通常の年賀状と同じで、元旦(1月1日)から松の内(1月7日)までに相手へ届くように投函します。
年賀状のデザインも通常の年賀状と同じで問題ありません。最後なので特別な雰囲気や改まった雰囲気を出したいと考える方は、少しフォーマルなデザインを選ぶと良いでしょう。
まとめ
今日は終活年賀状の基本情報と相手を不快にさせない書き方をお伝えしました。
今回は自分が終活年賀状を出すという視点からお話しましたが、自分が受け取る側になることもあります。その際の対応は自由ですが、やはり相手の気持ちを尊重し来年から年賀状の送付を控えるのがベターです。そのまま終わりになるのが寂しい方は、寒中見舞いなどでこちらからも最後のメッセージを送ると良いでしょう。