在宅介護を選択した方が利用するサービスとして“ショートステイ”があります。その他のサービスに“デイケア”や“デイサービス”など似た言葉もあり、混乱する方も多いと思います。
そこで、今日は混乱しやすい言葉の中から“ショートステイ”をとり上げて解説します。ショートステイの基本情報・利用シーン、一般型ショートステイと医療型ショートステイのちがいについてご紹介します。
目次
1.ショートステイとは
ショートステイとは、老人ホームや病院などの施設に短期間宿泊するサービスのことです。家族が一時的に介護をすることができなくなった時や、施設入居の前に施設での生活に慣れておきたい時など幅広い利用シーンがあります。
宿泊中は食事・入浴・排泄など日常生活上の介護に加え、機能訓練・レクリエーションなどのサービスを受けることができます。レクリエーションは体を使う体操のほか、手芸や園芸・農作業など趣味の世界を広げるものもあり宿泊中の生活が充実したものになります。
2.どのような時にショートステイを利用する?
ショートステイは介護をする家族の都合が合わない時だけ利用されるものではありません。介護をする人にとっても、介護を受ける人にとっても生活上の“困った”を解決するショートステイの上手な活用方法があります。
介護をする人側の利用シーン
・出張や夜勤など仕事の都合で介護ができない時
・冠婚葬祭で外出や宿泊が必要な時
・体調を崩してしまった時
・介護疲れでリフレッシュしたい時
介護をする人の利用シーンとして多いのが介護疲れによるものです。自分の都合で施設へ預けることに罪悪感がある人もいると思いますが、介護をする人の心身の状態を良好に保つことも介護には大切なことです。
いつも我慢をして介護をする人の心身のケアが後回しになってはいませんか?介護をする人が病気になってしまうと、ショートステイを利用するよりも長期にわたって介護に戻れないことも考えられます。時にはプロに頼ることも大事なことです。少し介護から離れてリフレッシュすることで、また新たな気持ちで介護や仕事に向き合えるはずです。
介護を受ける人側の利用シーン
・ホームヘルパーさんが来れない日が続く時
・次の施設への入居待ちをしている時
・病状が悪くなって自宅での生活が難しくなった時
・退院直後、体力や身体の調子が回復するまで手助けが欲しい時
・施設入居を考えており、施設で生活するイメージをつかんでおきたい時
介護を受ける人の利用シーンでは自分の身体の都合が多くなりますが、近い将来の施設入居のためのイメージトレーニングとして積極的にショートステイを活用している人もいます。また、自宅で孤独や寂しさを感じている時の解決策としてショートステイを楽しむ人もいるようです。
3.一般型ショートステイと医療型ショートステイのちがい
ショートステイには、短期入所生活介護(通称:一般型ショートステイ)と短期入所療養介護(通称:医療型ショートステイ)の2種類があります。
一般型ショートステイと医療型ショートステイの大きなちがいは「医療ケアの充実度」です。
その名の通り、医療型ショートステイのほうが一般型ショートステイよりも医療ケアが充実しています。医師・看護師の人員配置も医療型ショートステイのほうが充実しており、日常生活の介護の他に医療行為を必要としている方は医療型ショートステイのほうが安心です。
ただし、医療型ショートステイを利用できるのは要介護1~5の認定を受けた人のみです。一般型ショートステイでは要介護1~5の人の他に、要支援1・2の人も利用ができます。医療型・一般型の両者とも介護保険が適用されます。
医療型ショートステイでのサービス内容
一般型ショートステイで提供されるサービス(生活介護、機能訓練、レクリエーション)の他に、次の医療ケアを提供しています。
①病気・負傷の診断
②療養上のお世話
たんの吸引、インスリン注射の管理、服薬指導、褥そう状態のチェック、など
③医療機器の調整・交換
胃ろうチューブ、人工呼吸器、など
④リハビリテーション
作業療法士・理学療法士・言語聴覚士などのプロによるリハビリテーション
⑤認知症の方への対応
ショートステイの利用を検討している方は、介護を受ける人にどのような内容の医療ケア・生活介護が必要かを考慮して施設を選びましょう。
まとめ
今回はショートステイの基本情報・利用シーン、一般型ショートステイと医療型ショートステイのちがいについてお伝えしました。
ショートステイはさまざまな利用シーンがあって重宝する反面、人気があるためなかなか予約ができないこともあります。特に、連休や年末年始は利用者が多く予約が取りにくくなっています。
ショートステイの申込みは担当のケアマネージャーさんを通して行います。数ヶ月前から計画的に利用を検討している場合も、急に利用しなくてはならない場合も、ショートステイを利用したい際は担当のケアマネージャーさんに相談しましょう。