デイケアは介護保険が使える通所サービスの一つで“通所リハビリテーション”と呼ばれています。その名の通りリハビリを行う場所ではありますが、1日過ごす場合にはどのようなことをして過ごすのでしょうか。
今日はデイケアでの1日の流れ、目的と利用対象者、費用についてご紹介します。
目次
1.デイケアでの1日の流れ
デイケアでの1日の流れ
デイケアでの一般的な1日の流れをご紹介します。デイケアの利用時間には半日や1~2時間などさまざまありますが、利用者の多い6時間以上7時間未満の利用の場合です。
8:30~9:00 車で自宅までお迎え
9:30 施設に到着・体調チェック
10:00 入浴/リハビリ
(順番に入浴します。順番を待つ間や入浴後、リハビリを行います。)
11:30 口腔体操
12:00 昼食
13:30 レクリエーション・趣味活動
15:00 おやつ
16:00 自宅まで車でお送り
リハビリと機能訓練のちがい
デイケアとデイサービスの1日の流れは似ていますが、明確に異なる点があります。それは、デイケアでは“リハビリ”を行い、デイサービスでは“機能訓練”を行っている点です。
機能訓練は身体機能の減退防止を目的とし、指導は機能訓練指導員(理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、看護師、柔道整復師、あん摩マッサージ指圧師、など)が行います。
一方、リハビリは身体機能の維持・回復を目的とし、医師の指示に基づきリハビリ専門職である理学療法士、作業療法士、言語聴覚士が行います。
デイケアのサービス内容
デイケアのサービス内容は次のとおりです。
・車での送迎
・日常生活の支援(食事、入浴介助、排泄介助、など)
・レクリエーション、趣味活動
・医師の診察
・リハビリ
・栄養指導
・住宅改修や福祉用具のアドバイス
2.デイケアの目的と利用対象者
デイケアの目的
デイケアの目的は「利用者が自宅で自立した日常生活ができるよう日常生活の支援や、医師の指示のもとで身体機能の維持・回復のための訓練を行うこと」です。
デイサービスと比べると医療とリハビリに特化しているのが特徴です。
デイケアの利用対象者
デイケアの利用対象者は、要支援1・2、要介護1~5の方で医師からリハビリの必要があると判断された方となります。
このような方にはデイケアがおすすめ
<利用者>
・退院後も同じ病院でリハビリを続けたい
・自宅のお風呂に入るのが困難なのでリハビリと一緒に入浴もしたい
・自分の身体の状態に合った住宅改修や福祉用具のアドバイスが欲しい
<介護している家族>
・日中に用事があり、その日だけ介護ができない
・心身のリフレッシュをしたい
3.デイケアにかかる費用
デイケアに必要な費用
デイケアに必要な費用は次の3つの項目です。
①利用料金(介護保険適用)
②サービス加算(介護保険適用、サービスの利用があった時のみ加算)
③食費・日用品など(介護保険適用なし、利用した分を負担)
①利用料金(介護保険適用)
今回は上記の“デイケアでの1日の流れ”のように6時間以上7時間未満の利用をした場合の料金をご紹介します。
<利用者の負担額の目安(1割負担、1回の利用につき)>
要支援1…1712円
要支援2…3615円
要介護1…667円
要介護2…797円
要介護3…924円
要介護4…1076円
要介護5…1225円
※厚生労働省HPより引用 https://www.kaigokensaku.mhlw.go.jp/publish/group8.html
※6時間時用7時間未満の利用
※通常規模の事業所(1ヶ月の平均利用延べ750人以内)のデイケア
※送迎費を含む
②サービス加算(介護保険適用、サービスの利用があった時のみ加算)
・通所リハビリマネジメント加算…リハビリを継続的に管理するために加算。リハビリを行う体制やデイケアへの通院歴によって加算が異なる。240~863円/月
・入浴介助加算…入浴時の介助・観察を行った時に加算。50円/1回
・栄養改善加算…栄養状態の改善に関する相談・管理を行った時に加算。150円/1回
・口腔機能向上加算…口腔機能改善管理指導計画作成・個人指導を行った時に加算。150円/1回
・運動器機能向上加算(要支援の方のみ)…要支援から要介護状態へなることを防止するための機能訓練を行った時に加算。225円/月
③食費・日用品など(介護保険適用なし、利用した分のみ負担)
・食事代…1食500~1000円
・おやつ代…1食50~100円
・紙おむつ、紙パンツ、尿取りパッド代…実費
・レクリエーション、趣味活動のための材料費(希望者のみ)…実費
デイケアとデイサービスの併用も可能
要介護1~5の方であればデイケアとデイサービスの併用ができます。
毎日リハビリをする必要はないけれど毎日入浴はしたい・食事の介助をお願いしたい、という方におすすめです。また、デイケアはデイサービスより料金が高いため2つを併用しながら上手に利用すると費用を抑えることができます。身体の状態を医師に相談しながら週何回程度のリハビリが適切なのか、週何日程度デイケアやデイサービスを利用したいのか、予算はどの位か、などをケアマネージャーさんと相談してみましょう。
まとめ
今回は、デイケアでの1日の流れ、目的と利用対象者、費用についてお伝えしました。
デイケアには“卒業”があります。心身の状態が目標とするところまで回復するとデイケア通いは終了=卒業、ということです。デイケアを卒業しても心身の状態に不安な面がある、心身機能を維持したいという方はデイサービスに通うこともできます。利用者も介護する側も快適に日々を送ることができるよう適切に介護サービスを利用していきましょう。