40歳の時から納めている介護保険ですが、もしも介護保険を使う状況になった時、どのようなサービスを受けることができるかご存知でしょうか。いつまでも元気にピンピンコロリで天寿をまっとうする…これは多くの人が願うことだと思います。しかし、生きていれば病気やケガに苦しむこともあれば、介護が必要になることもあります。
その時に役立つのが介護保険です。サービス内容を知り、将来の安心につなげてもらえれば幸いです。
今回は介護が必要になった時に介護保険で利用できるサービスについてご紹介します。
目次
1.介護保険で利用できるサービスは大きく分けて4つ
介護保険を使って利用できるサービスは大きく分けて次の4つがあります。
①訪問サービス
②通所サービス
③短期入所サービス
④その他サービス
それでは、4つのサービスを詳しくご紹介します。
2.①訪問サービス
自宅で暮らす要介護者のためにスタッフが自宅に訪問して行うサービスです。
・訪問介護
ホームヘルパーが訪問し入浴・食事・排泄などの介護、掃除・洗濯・調理などの家事を行います。
・訪問入浴介護
自力で入浴することが困難な方のために、専用の浴槽を使って自宅での入浴を行います。
・訪問看護
看護師などが訪問し療養中のお世話や診療の補助を行います。
・居宅療養管理指導
医師や薬剤師、歯科医師・歯科衛生士、管理栄養士などが訪問し療養中の管理・指導を行います。
・訪問リハビリテーション
作業療法士・理学療法士・言語聴覚士が訪問しリハビリテーションを行います。
訪問介護でホームヘルパーさんが身の回りのことや家事なら全部してくれると思われがちですが、残念ながら介護保険制度により対応できる内容が定められており何でもしてくれるわけではありません。具体的に言うと、『本人のこと』のなかで『日常生活に関係すること』しか対応できないのです。
例えば、本人が食べる食事を調理することはできますが、本人の家族が食べる分も調理することはできません。また、本人の生活に必要な日用品や食料を買うための買い物はできますが、生活に必ずしも必要ではない嗜好品(お酒・タバコなど)のための買い物はできません。
できること・できないことの線引きが難しいかもしれませんが、お互いに気持ち良くサービスを利用・提供できるように配慮しましょう。また、ホームヘルパーさんにできないことでも代行サービスを依頼するとできるようになることもあります。柔軟に考えていきましょう。
ホームヘルパーさんができないこと<例>
・植木の水やり
・庭や畑の管理(草むしり、水やり、など)
・ペットの世話
・洗車
・散歩のための外出付き添い
・本人以外(同居家族)分の家事(食事の準備、洗濯、布団干し、掃除、など)
3.②通所サービス
日中、利用者が日帰りで施設に行って受けるサービスです。
・通所介護(デイサービス)
日常生活の支援(食事の介護、入浴、など)や機能訓練、レクリエーションを行います。
デイサービスの基本|1日の流れ・サービス内容・利用対象者・費用などについて・通所リハビリテーション(デイケア)
医療機関や介護老人保健施設で行っているサービスです。心身機能の維持回復を図るためのサービスで、日常生活の支援(食事の介護、入浴、など)のほかリハビリテーションを受けることができます。
デイケアの基本|1日の流れ・サービス内容・利用対象者・費用などについて4.③短期入所サービス
普段は家で介護を受けている人が施設などに短期間宿泊して受けるサービスです。食事や入浴のほか、心身機能を維持・向上させるための機能訓練も行います。家族の負担軽減としても利用されます。
・短期入所生活介護(ショートステイ)
特別養護老人ホームやショートステイ専門施設に宿泊します。
・短期入所療養介護(医療型ショートステイ、療養ショートステイ)
介護老人保健施設や病院、診療所に宿泊します。短期入所生活介護と比べて医療ケアが充実しています。
5.④その他サービス
介護や自立を助けるために必要な用具の貸与・販売、住宅改修の費用も介護保険の自己負担率に応じて支給されます。
・福祉用具貸与
車いす、杖、特殊ベッドなどの福祉用具をレンタルします。
・特定福祉用具販売
特殊尿器、入浴補助用具などの福祉用具を販売します。購入費の7~9割分が保険から支給されます(例:介護保険1割負担の人は購入費の9割が支給)。1年間に10万円まで支給可能です。
・住宅改修費支給
利用者の自宅に小規模な改修(手すりの取り付け、段差をなくす、など)を行った時の費用を7~9割分支給します(例:介護保険1割負担の人は改修費の9割が支給)。支給上限は20万円です。
まとめ
今回は、介護が必要になった時に介護保険で利用できるサービスについてお伝えしました。
介護保険で利用できるサービスは今日ご紹介した以外にも定期的な巡回や施設への入所など多数あります。介護を家族だけで抱え込まず、社会全体で支えていくものと考えて上手にサービスを利用しながら暮らしていきましょう。介護でのお困り事や利用できるサービスについて相談したい時は、お住まいの地域包括支援センターや市町村役場の窓口、かかりつけの病院のソーシャルワーカーに話してみましょう。具体的なアドバイスがもらえるはずです。