遺言書どおりに遺産分割しなかったときに贈与税はかかるか?

被相続人が遺言書を残していた場合は、被相続人の意思である遺言書の内容に従って、遺産分割をするのが通常です。しかし、遺言書が残されている場合でも、相続人全員が合意すれば、遺言書の内容 … 続きを読む 遺言書どおりに遺産分割しなかったときに贈与税はかかるか?

この記事は約2分で読み終わります。

被相続人が遺言書を残していた場合は、被相続人の意思である遺言書の内容に従って、遺産分割をするのが通常です。しかし、遺言書が残されている場合でも、相続人全員が合意すれば、遺言書の内容と異なる内容で遺産分割をすることができます。

このような場合、一旦、受遺者(遺贈を受ける者として遺言で指定された者をいいます)である相続人が相続し、その後、受遺者である相続人から他の相続人に贈与が行われたというように捉えることもできます。このように考えると、相続税は受遺者のみが課税され、他の相続人は贈与税が課税されることとなってしまいます。しかし、そのような取扱いとはなりませんので注意してください。

例えば、ある相続人にすべての財産を与えるというような内容の遺言書があったにも関わらず、相続人全員が合意して遺言書の内容と異なる内容で遺産分割をしたときは、受遺者である相続人が遺贈を放棄し、共同相続人間で遺産分割されたものと考えます。この場合、相続税の計算は、相続人全員で行われた分割協議の内容をもとにを行い、遺産分割を受けた各相続人が相続税を納税します。したがって、受遺者である相続人から他の相続人への贈与があったというようには考えないので、贈与税がかかることはありません。