相続争いに悩まないために原因と予防策を知ろう

相続争い(いわゆる争族)は、なにも相続額の多い人たちだけの問題ではありません。相続額が少なくても相続争いに発展することは多々あります。仲良くしていた兄弟が争って仲違いしてしまうこと … 続きを読む 相続争いに悩まないために原因と予防策を知ろう

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相続争い(いわゆる争族)は、なにも相続額の多い人たちだけの問題ではありません。相続額が少なくても相続争いに発展することは多々あります。仲良くしていた兄弟が争って仲違いしてしまうことすらあります。

相続争い(争族)を防ぐためにはどうするべきか、原因と対策をご紹介します。

相続争いが起こる原因

相続争いはどういったことが原因で起きてしまうのか、よくある相続争いが起こる理由を確認してみましょう。

偏った遺言による争い

相続では、遺留分といって法律で定められた最低限の相続できる割合があります。
そんな相続の割合に混乱をもたらすのが、亡くなった人の偏った遺言。

たとえば、愛人に全財産を遺す、3人の兄弟の内1人に多くの財産を遺すなどのような内容であると争いに発展しやすいです。

相続内容が分けられないものの場合

相続するものがお金であれば均等に分けやすいです。
しかし、お金ではない土地や建物などの不動産になると2等分、3等分にすることは現実的に不可能。

不動産を相続する人が、本来分けるはずだった分を他の相続人に支払えば問題ないですが、支払える能力がない場合相続争いになってしまいます。

近親者内での不仲による相続争い

昔は仲の良かった兄弟や家族も、結婚や親の介護などで亀裂が生まれてしまうことがあります。
特に新しい家族になった配偶者が絡んで、トラブルに発展するケースは少なくありません。

兄弟や家族だから不仲でもどうにかなるというのは、相続には当てはまらないと考えた方が良いでしょう。

相続争いを解決する方法

もし相続争いになったらどういった方法で解決するべきなのか、2つの方法をご紹介します。

遺産分割協議をする

遺産分割協議とは、相続人同士の話し合いのことです。
1対1の話し合いでは解決しなくても、相続人が集まって話し合いの場を設けることで解決することもあります。

兄弟間の深い溝などがない場合は、遺産分割協議で平和的に解決した方が得策です。
話し合いで早めに分割が決まれば、その分早めに相続することができます。

弁護士などの専門家に相談するのもひとつ

相続争いの解決策として遺産分割協議をご紹介しましたが、それでも当人たちの話し合いだけで解決しないこともあります。

話し合いを重ねるたびに溝が深まったり、一向に収束しなかったりするので、話し合いがこじれた場合は弁護士などの専門家に相談するのもひとつの手段です。

客観的な意見を聞くことができますし、裁判所を通した調停になったときに力を借りることができます。

相続争いを避ける為に事前にしておきたい対策

相続争いになったら、兄弟や親族間の溝が深まるほか、財産の相続も遅れるばかり。
百害あって一利なしというように、良いことはありません。
争いを未然に防ぐための事前の対策をまとめてみました。

生前に家族信託に財産手当てを入れる

家族信託(民事信託)とは、引き続き被相続人が財産の所有権を持つものの、家族に管理する権利を移すことです。相続だけでなく、被相続人の認知症対策でも利用されますし、相続税対策になることもあるので税理士にも相談するとよいでしょう。

大きなメリットは、管理者がはっきりすることで、その後の相続をスムーズに持っていきやすいということ。
家族信託によって管理者の既成事実が生まれるため、財産が誰の所有か明白になります。

生前に資産目録を作成して分与額も決める

銀行預金や建物以外の貴金属類、骨とう品などが相続対象として争われることもあります。
後々のトラブルを想定して、資産目録として全財産を洗い出し、分与額を決めておくのも有効です。その場合、遺言書を作成しておく必要があります。

兄弟間、親類とも密にコミュニケーションをとっておく

相続争いの要因として多いとされているのが、兄弟や親族間の不仲やコミュニケーション不足。

同居している親族、介護している兄弟など、相続人同士が理解できずに大きな問題に発展することもあります。

お互いどのような状況か、何か不満に思っていることはないか、普段からしっかりコミュニケーションをとっておくことが重要です。

まとめ

相続争いは、親族間の理解不足など些細なことが原因で起きてしまうこともあります。親族間で争うというのは本当に無益なことです。

親族間でのコミュニケーションも含め、相続に不利な要因を解消していくことが予防策として大切です。予防をしておけば、それが相続税対策になることもあります。相続のことは少しでも早めに考えるに越したことはありません。