相続後のアパート経営はどうするべき?

相続の場合、なんの心構えもない中、アパートの経営を引き継ぐことがあります。 アパートを相続した場合どうすればよいのか、注意点をまとめてみました。 目次相続されたアパートを経営するう … 続きを読む 相続後のアパート経営はどうするべき?

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相続の場合、なんの心構えもない中、アパートの経営を引き継ぐことがあります。
アパートを相続した場合どうすればよいのか、注意点をまとめてみました。

相続されたアパートを経営するうえで気を付けること

アパートの相続を受けても手放しでは喜べない部分があります。アパートなどの収益不動産の相続を受けた場合の注意点3つをご紹介します。

親の時代とは違うアパート経営

アパートの所有で順調に不労収入が手に入るというのは誤算かもしれません。
近年はアパートの過度な供給により、なかなか部屋が埋まらないなどのリスクも多く、親の時代と比較すると厳しい状況になってきています。

コンスタントに利益を上げながら、というのは工夫や妥協をしないと難しい状況です。

また古い木造のアパートは、老朽化によって修繕費が多くなるほか、賃料が下がるなどの問題も発生してきます。
リフォームまたはリノベーションをして、入居者を呼び込む工夫も必要です。

管理会社の変更を考える

空き部屋の問題は決して管理会社だけの問題ではありませんが、長年の付き合いでなれ合ってしまい、積極的に動いてくれない管理会社もあります。
アパートなどの収益不動産の相続は、管理会社を変更する良い機会でもあります。

必ずしも管理会社を変更しなければならないという訳ではありませんが、経営にあたってしっかりサポートしてくれているか、管理料は高くないかという点を確認し、他の管理会社と比較してみましょう。

準確定申告が必要

準確定申告とは、アパートを賃貸していた人など確定申告が必要な人が亡くなったときに、本人に代わって行われる所得税の確定申告のこと。

過去コラム:「死亡したときの確定申告(準確定申告)」

所得税の確定申告は1月1日から12月31日までの所得を申告するもので、通常は12月31日で締めますが、準確定申告の場合はアパート管理者が亡くなった時点で締め、4ヶ月以内に申告しなければなりません。

また、相続してからは、毎年所得税の確定申告をすることが必要です。

税金の申告において重要なことなので、通帳などの確認書類を用意し、漏れなく申告するようにしましょう。よくわからないときは税理士に聞いてみるのも一つです。

アパート経営の相続をしても不安な場合は外部に任せよう

アパート経営を全て1人で背負ってしまうと負担になることもあります。
経営が難しい場合は、思い切って外部に任せる方向性で考えてみましょう。

自信がないなら管理会社に委託してみる

せっかくアパートなどの収益不動産を相続しても経営できる自信がない場合、あるいはアパート経営自体に興味が湧かない場合もあるでしょう。

こうした場合は、自分だけでなんとかしようとせず、管理会社に管理を委託してみるのも方法の1つです。管理会社に委託する場合には、サブリースという方法もあります。サブリースでは保障された賃料が毎月管理会社から支払われることとなります。

無理に大家として頑張らなくても、必要な部分は管理会社から連絡を受けて、会社に勤めながらアパート経営をすることができます。

兄弟や親族と相談して売却することも視野に入れる

相続をしてもコンスタントに利益が上がるとは限りません。
反対に、修繕費やリフォーム費用などで損をしてしまうこともあります。

アパート経営に不安がある場合は、思い切って売却を視野に入れ、親族や兄弟と話し合うことも大切です。
なお、不動産を売却するときには、所得税(譲渡所得税)がかかることがありますので注意してください。相続時に相続税を払っているときで、相続税の申告書の提出期限の翌日以後3年以内に売却したときは、相続税の取得費加算の特例を使って、所得税(譲渡所得税)を少なくすることができる可能性があります。
不動産を売却するときには税金の問題が出てきます。わからないときは、検討段階で税理士に相談するとよいでしょう。

まとめ

少子高齢化により不動産も余っている時代です。都心部や駅近など立地に恵まれている不動産でなければ、放っておいても入居者がどんどんと借りてくれる状況ではありません。所有している不動産の魅力を高め、競争力を高めて、入居者から選んでもらわないといけません。アパート経営は、親の時代とは状況が違うのです。
自分で経営するほか、管理会社への委託やサブリースもあるので、サービスをうまく利用し、場合によっては売却も視野に考えましょう。