住宅取得等資金の贈与税の特例を利用して相続対策(生前対策)をすることがあります。この特例はとても活用しやすい制度ですが、対象となる居住用の家屋や増改築等の要件が定められていますので、知っておきましょう!
住宅取得等資金の贈与税の特例の対象家屋・増改築等の要件は?
住宅取得等資金の贈与税の特例において、対象となる居住用の家屋や増改築等の要件は次のとおりです。
居住用家屋の要件
住宅取得等資金の贈与税の特例の対象が居住用家屋の場合は、次の要件をみたす日本国内にある家屋であることが必要です。
(新築の場合)
・家屋の登記簿上の床面積が50平米以上240平米以下で、床面積の1/2以上に相当する部分が住居用であること
なお、マンションなどの区分所有建物の場合は専有部分の床面積だけで判断します。
(中古の場合)
新築の場合の要件に加えて、次のいずれかの要件を満たす必要があります。
(1) 耐火建築物※である場合は取得日以前25年以内に建築されたものであること
(2) 耐火建築物※以外である場合は取得日以前20年以内に建築されたものであること
(3) 一定の耐震基準を満たすことが証明された家屋であること
(4) (1)から(3)のいずれにも該当しないが、取得後に耐震改修工事を行うことについて取得日までに所定の手続きをして、かつ、贈与を受けた年の翌年3月15日までに、その耐震改修により一定の耐震基準に適合し、証明を受けたこと
※耐火建築物とは、家屋の構造(登記簿に記録されているもの)が、鉄骨造、鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造などのもののことをいいます。
増改築等の要件
住宅取得等資金の贈与税の特例の対象が増改築等であるときは、日本国内にある家屋について行われる増築・改築・大規模の修繕、大規模の模様替その他の工事のうち一定のもので次のすべての要件を満たす必要があります。
・増改築等の工事費用が100万円以上であること。なお、住居部分の工事費が全体の工事費の1/2以上であること。
・増改築等後の家屋の登記簿上の床面積が50平米以上240平米以下であって、床面積の1/2以上に相当する部分が住居用であること
・一定の工事に該当することについて、「確認済証の写し」、「検査済証の写し」または「増改築等工事証明書」などの書類により証明されたものであること。
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まとめ
住宅取得等資金の贈与税の特例で、対象となる居住用の家屋や増改築等の要件について解説しました。これらの要件を満たしていないことが後にわかった場合は、がっつりと贈与税がかかる可能性がありますので注意してください。特に築年数や、証明書の入手などは注意が必要です。