親子間や、祖父母と孫の間など親族間で金銭の貸し借りをすることもあるでしょう。
この金銭の貸し借りが「贈与」とみられ、税務署から贈与税が課せられることもありますので注意してください。
税務署から「贈与」とみられる可能性があるのは次のようなケースです。
・返済能力や返済状況などからみて金銭の貸し借りであるとはいえない場合
・実質的に贈与であるにもかかわらず形式的に貸し借りとしている場合
・「ある時払いの催促なし」または「出世払い」というような貸借の場合
また、借入金の利息をとっていない場合は、利子に相当する金額の利益を受けたものとして、利益相当額が贈与として取り扱われる場合があります。金銭の貸し借りがあったときには利息のやりとりをするのが通常だからです。
このように金銭の貸し借りが「贈与」とみられないようにするにポイントは次のとおりです。
1.契約書を作成しておく。
親族間と言えども、貸し借りの事実を明らかにするため契約書を作成しましょう。
公正証書を作ったり、公証役場で契約書に確定日付を押してもらっておくと契約書が後から作ったものでないことがわかるため、なおよいです。貸し借りの金額が多額になるときは、ここまでしておくとベターです。
2.金額は返済能力の範囲とする。
借りた人の経済能力から返せる範囲の金額としましょう。
返せないことがわかっている貸し借りは、「返すつもりがないんじゃないの?」というようにみられ、贈与とみなされる可能性が高くなります。
3.きちんと返済しておく。
返済の実績がない場合も、贈与とみなされる可能性が高くなります。
契約書の条件のとおりに借入金を返済しましょう。
返済の事実が後からわかるように銀行振込で返済しておくとよいでしょう。
4.利息のやりとりをする。
銀行の借入金利などを参考に金利を決めて、利息のやりとりをしておきましょう。