相続税は被相続人の死亡を知った日から10ヶ月以内に申告と納税をする必要があります。この相続税の申告と納税をしなかったらどうなるのでしょうか?
まず、相続税の申告は相続税がかかる人だけがすればよいので、相続税がかからない人は申告しなくても問題はありません。
相続税がかかるのに、正当な理由なく申告期限までに申告をしていなかった人は「無申告加算税」がかかります。無申告加算税は、原則として、納付すべき税額の20%(50万円までの部分に対しては15%)です。
例えば、本来納付すべき相続税額が1,000万円とすれば、197万5千円(50万×15%+(1,000万円-50万円)×20%)の無申告加算税が上乗せされ、1,197万5千円を納めないといけないこととなります。
ただし、税務調査を受ける前に自主的に期限後申告したときの無申告加算税は納付すべき税額の5%となります。
悪質な行為(相続財産を隠すといった隠蔽や仮装)を行っていた場合には、無申告加算税に代えて、重加算税が課されます。相続税の申告書を提出しなかった場合の重加算税は40%となります。
これらの無申告加算税または重加算税に加えて、納期限の翌日から納付した日までの日数に応じて、利息に相当する延滞税がかかります。
このように相続税の申告と納税をしなかったときにはペナルティがありますので注意してください。
また、ペナルティ以外にも注意が必要です。相続税の配偶者控除や小規模宅地の特例を適用した結果、相続税額がゼロになる、というケースで、特例を受けるためには、相続税の申告をしておかなければなりません。
相続税の申告が必要な人が申告しなかったときには多くのデメリットがありますので、注意しましょう!